SFCを見越したクレジットカード選びについて
@ 三井住友カード
陸空マイラーを目指す自分にとって、将来的にSFC(スーパーフライヤーズカード)を取得したいと考えていますので、将来を見越したANAカード取得について考察しました。
航空会社「上級資格」付きのクレジットカード
SFC(スーパーフライヤーズカード)については下記公式サイトが一番詳しいので、詳細はここには記載いたしません。簡単にいえば、「年会費を払い続ける限りANAの上級会員の資格」を継続することが可能なクレジットカードのことを意味します。
自分が最近までメインカードにしていた「デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カード」通称「デルタアメックスゴールド」も似た内容で、デルタ航空の上級会員の資格「ゴールドメダリオン」が自動付帯されているクレジットカードでした。
http://ja.delta.com/content/www/en_US/skymiles/medallion-program.html
ゴールドメダリオンを取得することのメリットはデルタ航空での上級会員になれることは無論、スカイチームの「SkyPriority」を取得できることにありました。
この資格を持つことにより、一般人視点でのメリットは
- 優先チェックイン
- ラウンジの利用(スカイチームの航空ラウンジ)
- 預け荷物の優先タグの付与
が掲げられます(もっと細かなメリットはありますが、個人的な感覚でのメリットはラウンジ>優先Cin>預け荷物となります)。
デルタの場合はゴールドカードの有料年会費を払うことで自動的に上級会員資格が付帯されるので非常にメリットが大きいのですが、日系のエアラインでは「上級会員資格」は仕事などで日頃からフライトを使用しない場合は、簡単に手に入れることはできない資格となります。
SFCはその「上級会員資格」を付帯で提供してくれるクレジットカードなので、ANAユーザにとっては非常にありがたいカードとなります。ですが、デルタと異なり「簡単に」取得する事はできないカードです。このカードは取得するのに厳しい「条件」が必要となりますので、多くの方が「SFC修行」という形でこの条件を取得する修行を行っていることが現実です。この修行についてはここでは述べず、将来的に修行>SFC取得に関して、一つ条件となる「特定のクレジットカードの所持」を念頭において、どのクレジットカードを持つべきなのかを考察します。
SFC取得に必要なクレジットカード
SFCを付帯したクレジットカードは下記となります:
- ANAスーパーフライヤーズカード
- ANAスーパーフライヤーズ ゴールドカード
- ANAダイナース スーパーフライヤーズカード
- ANAアメリカン・エキスプレス®スーパーフライヤーズ・ゴールド・カード
- ANA JCBスーパーフライヤーズカード プレミアム
- ANAダイナーススーパーフライヤーズ プレミアムカード
- ANA VISAプラチナ スーパーフライヤーズ プレミアムカード
- ANAアメリカン・エキスプレス® スーパーフライヤーズ・プレミアム・カード
上記SFCを取得するには、一般のクレジットカードと同様の審査がありますが、万が一審査で落ちてしまうと、苦労して取得した「SFC取得条件(1年間有効)」が失効してしまいSFCを取得できないまま終わってしまう可能性があります。これを避けるために多くのSFC希望会員は対応するカードへの「切り替え」を考えて先にANAカードを取得しておくのが一般的となります。上記カードに「対応する」カードは下記となります。
- ANAカード(一般)/ ANAワイドカード
- ANAワイドゴールドカード
- ANAダイナースカード
- ANAアメリカン・エキスプレスゴールド・カード
- ANA JCBカード プレミアム
- ANAダイナース プレミアムカード
- ANA VISAプラチナ プレミアムカード
- ANAアメリカン・エキスプレス プレミアム・カード
5.~8.の「プレミア」カードに関しては名前の通りプレミアムレベルのカードになりますので、年会費もそれなりの金額となっています。
「ANAカードプレミアム」について
プレミアカードを普段から維持できる方に関しては、特にアドバイスをする事はないのですが、マイラーの視点ではコストパフォーマンスに優れているとは感じません*1。
1.~4.の一般カード〜ゴールドカードが候補となりますので、まずは1.-2.のカードのメリットを考えていきたいと思います。
ANA一般カード
年会費 |
|
---|---|
ボーナスマイル |
|
付帯保険 |
|
クレジットポイントからマイルへ |
|
会員特典 |
|
ANAカードの基本というべきカードです。
ANAワイドカード
年会費 |
|
---|---|
ボーナスマイル |
|
付帯保険 |
|
クレジットポイントからマイルへ |
|
会員特典 |
|
基本カードに対して、ボーナスマイル・付帯保険のレベルアップが見えますが、年会費の上昇から考えるとパッとしないカードです。
ANAワイドカードゴールド
年会費 |
|
---|---|
ボーナスマイル |
|
付帯保険 |
|
クレジットポイントからマイルへ |
|
会員特典 |
|
ゴールドカードとなりますが、本カードの一番のメリットは「マイルへの移行手数料が無料」である点となります。前述の2種類のカードでは「年間6,480円」の移行手数料が必須でかかるために、マイラーの視点では「年会費+6,480円」が年間の維持費用となります。
- ANAカード(一般):2,160円+6,480円 = 8,640円
- ANAワイドカード:7,830円+6,480円 = 14,310円
- ANAワイドカードゴールド:15,120円+0円 = 15,120円
そのため、維持費の視点では上から順当に一般カード>ワイドカード>ワイドゴールドとなります。ですが、SFCに移行することを考えた場合は下記2通りの交換ルートとなります。
- ANAカード(一般・ワイド)=> ANA SFカード
- ANAワイドカードゴールド = > ANA SFゴールドカード
この場合、維持費で考えれば「ANAカード(一般)」が最もコスパがよく、ANAワイドカードを選択するメリットがありません。「ANAワイドカードゴールド」は対象となるSFCがあるために、結論として一般カードorワイドゴールドが選択肢となると言えます。
維持費でのSFCカード所持について
- 維持費が安い:ANAカード(一般)
- 維持費が高い:ANAワイドカードゴールド
ですが、多くの陸マイラーの諸先輩は後者を勧めています。
「年会費割引」「最大還元率」について
@三井住友カード
維持費というコスト面を重視した場合、SFC発行を見据えたクレジットカードはANAカード(一般)がベストである旨を記載しました。ですが、実際の多くの「マイラー」の方々はワイドカードを選択しています。その理由に挙げられる代表的な内容が、下記2点となります*2
- 三井住友VISAカードを選択する事で得られる割引
- マイル還元率の高さ
三井住友VISAカードの割引
WEB明細書サービス
最近主流になっている明細書をWEB発行のみにする事で得られる1,000円割引(WEB明細書サービス)
リボ払い(マイ・ペイすリボ)
一般的には忌避されているリボ払いサービスを提供する「マイ・ペイすリボ」を使う事による割引特典があり、年会費を削減する事が可能です:
これらのサービスを組み合わせる事により、年会費が実質的に10,000円程度となり、マイル移行料6,480円を考慮すれば:
- ANAカード(一般):1,025円-1,000円+6,480円 = 6,505円
- ANAゴールド(ワイド):10,500円-1,000円 = 9,500円
と、10,000円を切る形でゴールドカードを維持する事も可能となります(SFCの場合は+1,000円)。しかし依然として維持費用の面では当然一般カードに軍配が上がりますが、ゴールド(ワイド)の魅力はどこにあるのでしょうか?
最大1.6%越えの還元率
使用率に応じたポイント
ANA VISAワイドカードを想定して、「ポイント還元」に注目してみます。このポイントは基本的に1000円の利用金額で1ptを取得できる内容となっています。
ワールドプレゼントとは|クレジットカードの三井住友VISAカード
この1ptはANAマイルに換算すると10マイルを取得する事が可能です。
30万円の決済を毎月行う場合は、300ptが毎月取得でき、3,000マイルに換算が可能という事になります(1.0%還元)。このポイントに加えて、前述した「マイ・ペイすリボ」を条件付き(リボ払いの手数料を発生させること)で使用すると、ボーナスポイントを取得可能となります。
マイ・ペイすリボの特典2
この追加で取得できるポイントですが、見かけは2倍のポイントなのですが、中身を紐解くと実際は「ポイント+ボーナスポイント」となっており、マイルへの還元率が違う内容(1Bpt = 3マイル)となっています。
つまり、30万円の決済をリボ払いで行い手数料を発生させる事により合計3,900マイルの取得が可能となります(実質1.3%還元)。
- 30万円のポイント取得 = 300,000 x 1/1000 = 300pt = 3,000マイル
- 300ptと同額のボーナスポイント取得 = 300Bpt = 900マイル
この方法の肝は「リボ払いの手数料を発生させる事」にありますので、一般に嫌われるリボ払いを積極的に使用する必要があります。ただ、この内容については、テクニックと時間で最低限の利子をキープできますので、後日記載いたします*3
ソラチカルートでのボーナスポイント交換
ポイントを効率的に変えるルートを掲示してくれる「ポイ探」で300ボーナスポイントをANAマイルに交換するルートを見てみます。
オプションとして、「ソラチカカード」を所持している事を確認すると、上記ルートが掲示されます。これによればGポイントを経由する事で、ソラチカルートが使えるようになり、最終的にANAマイルを1,260マイル取得する事が可能となります*4。
- Vpass経由での300Bpt = 900マイル
- Gpoint経由での300Bpt = 1,260マイル
ソラチカルートを活用する事により、月30万円の決済をおこなった場合に0.12%のマイル還元率を上昇させる事が可能です。
- 月30万円決済ポイント:Vpass経由 = 3,900マイル = 1.3%
- 月30万円決済ポイント:ソラチカ経由 = 4,260マイル = 1.42%
年間決済額に依存したボーナスポイント取得
前年度利用金額 | ステージ | 今年度利用金額に応じたボーナスポイント | |
---|---|---|---|
ANAゴールド(ワイド) | |||
300万円以上 | 50万円で300ポイント 以降10万円ごとに60ポイント |
||
100万円以上300万円未満 | 50万円で150ポイント 以降10万円ごとに30ポイント |
||
50万円以上100万円未満 | 50万円で100ポイント 以降10万円ごとに20ポイント |
三井住友カードの場合は年間利用額に応じて、「V1~V3ステージ」が提供され、そのステージに応じたボーナスポイントを取得する事が可能です。月額30万円の決済をおこなった場合は年間360万円の利用金額となるため、「V3ステージ」に認定され、使用金額に応じたBpt還元を受ける事が可能です。V3ステージの状態で360万円を年間で使用した場合は下記計算式から2,160Bptを取得可能です。
- 360万円 = 50万円 + 310万円 = 300 + 310x60/10 = 2,160Bpt
先ほどと同様にソラチカルートを利用する事で8,910マイルを追加で取得可能です。
まとめると、年間300万円以上の決済を定常的に行い(V3ステージをキープできる場合)、月30万円の決済を行うユーザは合計で60,120マイル(1.67%)の還元率を達成できる事になります。
- 360万円 x ポイント還元 = 3600pt
- 360万円 x リボ払いボーナス = 3600Bpt
- 360万円 x V3ボーナス = 2160Bpt
- ANAマイル = 3600x10 + 5760Bptx4.1875 =60,120マイル
細かな計算が必要となりましたが、結局のところクレジットカードを月25万円以上使用する場合は(年間300万円以上)、還元率を最大効率化する事が可能となります。
還元率まとめ
月30万円、年間360万円の決済(前年度も同様でV3ステージ認定)の場合
- ポイント = 360万円 x 1/1000 =3,600pt取得
- リボ払いによるボーナス = 3,600Bpt取得
- V3還元によるボーナス = 2,160Bpt取得
これらをVpass経由もしくはソラチカ経由を実施する事により下記還元率を達成する事が可能となります。
- Vpass = 3,600x10 + 5,760x3 = 53,280マイル(1.48%還元)
- ソラチカ = 3,600x10 + 5,760x4.1875 = 60,120マイル(1.67%還元)
ただし、「高還元率」を達成する場合のデメリットも考慮する必要があります:
- 「マイ・ペイすリボ」を使用する事が必要
- ソラチカルートの交換プロセス(約120日)
最大還元率も魅力ですが、自分みたいな怠け者が達成できるプランを考えます。単純にカードをたくさん使うだけで得られる特典は下記となります。
- ポイント = 360万円 x 1/1000 =3,600pt取得
- リボ払いによるボーナス = 3,600Bpt取得
- V3還元によるボーナス = 2,160Bpt取得
これをVPASS経由で計算すると
- Vpass = 3,600x10 + 2,160x3 = 42,480マイル(1.18%還元)
こうなってくると、1.35%の還元率を生み出せる「エクストリームカード」の方がメリットが大きいと感じるようになります。
この場合は、やはりソラチカルートで地道に120日後にポイントを取得するか、リボ払いの方法をうまく活用した方が良いとの結論になります。
まとめ
ANA関連のクレジットカードについては、維持費・特典のバランスを考えて「三井住友VISA ANAゴールドカード(ワイド)」を選択しました。設定を上手に行う事で、維持費を削減できて、ANAへの還元率も1.5%を超えるシチュエーションを作成可能です。次回は必須と考えられる「リボ払い」をいかに上手くやり過ごすかを検証してみようと考えています*5
関連記事